北斗中盤のクライマックスの親玉、それがサウザーだ。聖帝十字陵でトキ、ケンシロウ、ラオウ、シュウ、そしてサウザーが一同に会する場面は北斗まれに見る贅沢さ！そしてここでトキの博識が炸裂する！
「驕るなサウザー！！貴様の体の謎はトキが知っておるわ！！」
さーっすがトキ兄さん！何でもお見通しですね！それに比べ拳王様！なぜそんなに威張ってるんですか？！あなたは何も知らないでしょ！
…まあともかくとして、ここでの最大の関心事はなぜトキがサウザーの体の謎を知っているのか？！に尽きる。なにせそれについて作中では全く触れられていないのだ。サウザー編の重要ポイントであるにもかかわらず！
という訳で、ここではその点について考えうる例を挙げていこうと思う。
可能性その1 見れば分かる
周知の通り、トキは北斗神拳を暗殺より医療に役立てたいと思っており、実際医療活動を行っている。さて、当然ではあるが同じ秘孔を突くにしても、殺傷目的と医療目的では使う神経の細やかさは断然違ってくるだろう。人を治療するのに「間違ったかな？」は通らないのだ。ともすれば指先ひとつでダウンしてしまう秘孔を主に治療の為に使うトキ。人体に対して人一倍深い造詣と眼差しを持っているに違いない。そんなトキにかかればサウザーなど裸も同然。一目で秘孔が表裏逆だと見破られてしまったのだ。
可能性その2 人から聞いた
199X年以前は、北斗と南斗は色々と交流があったらしい。シンはご近所さんだったみたいだし、南斗の偉そうな人はユリアを連れて錬気闘座を訪れていたし、ラオウはケンシロウをサウザー、シュウのいる南斗の道場に試合をさせに行っていた。もとより北斗と南斗は表裏一体。その南斗を代表する鳳凰拳の伝承者、サウザーの師であるオウガイが錬気闘座を訪れていたとしても何ら不思議は無い。まだまだ平和なあの時代、北斗と南斗は闘ってはならぬ掟らしいし、お人良しのオウガイが「ウチの子、逆でしてなァ（笑）」と、サウザーの体質をリュウケンに漏らしていたとは考えられないだろうか。そしてリュウケンはその事を、当時伝承者第1候補のトキに直接伝えたか、もしくはリュウケンとオウガイが話している所にお茶など運んできたトキが偶然聞いてしまった（客人が来たら、お茶を運ぶのはトキかキムさんに違い無い）可能性は大いにありうると思う。
可能性その3 本人から聞いた
これまた199X年以前の話になるが、トキは（おそらく）医師免許も無いくせに、怪しげなビルで医療活動を行っていた。そんなキナくさい医者には普通診てもらいたくないものだが、それでも患者が来ていたという事は、トキの腕前は相当信頼されていたのだろう。もしくはあの辺りには病院が少なかったのかもしれない。そして前述した通り、北斗と南斗は当時友好関係にある。もしかするとサウザーは、トキに治療してもらった経験があるのかもしれない。トキに治療してもらうとなると、当然体の謎は教える事になる。サウザーも、後に乱世が来て北斗と闘う事になるとは思っていなかっただろうし、治療の為なら存外普通に教えそうだ。
また、サウザーは聖帝十字陵で一旦ケンシロウをのした際、「次は誰だ トキかラオウか！！」と口走っている。このセリフによりサウザーとトキが顔見知りな事は明白であるし、特筆すべきは、ラオウよりトキの名前が先にきている点だ。普通あの世界での知名度や権力、兄弟の順序からすると「ラオウかトキか！」という順番になりそうなものだ。なのにトキの名が先にくるという事から、サウザーはラオウよりトキに思い入れがあったと考えられる。察するに、サウザーとトキは意外に深い交流があったのかもしれない。
可能性その4 そういう例を知っていた
トキは世の中が平和な時代、物語開始よりかなり以前から秘孔による治療を行っていた。おそらく北斗4兄弟で一番秘孔を突いた経験が多いのはトキではないだろうか。そしてトキが診た数多くの患者のなかに、サウザーと同じ「秘孔が表裏逆」という者がいたのである。その経験により、サウザーに秘孔が効かないと知った時ピーンときてしまったのだ。
可能性その5 実はウソ
あの時のトキ（韻踏んでるし）の状況を考えてみよう。とりあえず自分は病で思うように動けない。なのでケンシロウに乱世平定させようとしていた。そして目下のところの敵はサウザーで、彼には北斗神拳は通じない。このままではケンシロウはやられてしまう。手助けしたいが自分は病に冒された身、聖帝十字陵に向かうとなるとザコが束になってかかって来て正直疲れる。そこで思いついたのがラオウ。彼（＆黒王）はザコ掃除にはもってこいだ。しかしラオウは慎重派。サウザーの体の謎が解けない限り城を動こうとしない。どうしたものか。―そうだ！サウザーの謎を知っていると言えば安心して付いてくるだろう。……そう考えたトキはラオウに知ったかぶりをしてまんまと連れ出し、聖帝十字陵までボディーガードをさせたのでした。え？肝心のサウザーとの闘いはどうするつもりだったかって？秘孔ナシでカタをつけようと思ってたんじゃないでしょうか？
可能性その6 トキだから
トキは何でも知っている。トキに知らない事はない。なぜかって？トキだから。ほかに何か…？
以上、思いつく限り挙げてみた。他にも何かネタ可能性を思いついた方、いらっしゃいましたら御一報を！
私としては可能性その3希望だったりする。サウザーを診察するトキ。面白いじゃないですか。
はい、という訳で、早速ジンロウ様からツッコミをいただきました！どうもありがとうございます！！以下、青字はジンロウ様の見解、黒字は私のそれです。
「謎を知っている謎」について
僕の考えでは「可能性その4 そういう例を知っていた」が正しいのではないのだろうかとおもっています。
根拠は予想された通りのことだと思います。なぜ、他のものが間違っていてその4だと断定できるのか。他の可能性を否定することによって解説します。
可能性その1
「一目で秘孔が表裏逆だと見破られてしまったのだ。」と書いています。一目でわかるにはサウザーが服を脱いでいないといけないとしたら、トキが医療で深い造詣を身に付けたときはサウザーはもう大人になっており、その時サウザーが上半身裸でトキと対峙したとは考えにくい。服を着ている状態で秘孔の位置が判ればトキには透視能力があるに違いないが、劇中ではそういった能力は描かれていない。ので昔に一目でわかる機会などなかったと考えるべきだと思います。また、ケンシロウと戦っているときは腕などが肌けていますが、サウザーとトキの位置はかなり離れており、これで秘孔の位置が判れば化け物以外なにものでもないでしょう。
ああ！そうか！トキが聖帝十字陵で、半裸なサウザーを観戦してる様が印象に強いので、トキはサウザーの裸を見た事がある（文章にするとなんかアレですな（笑）と刷り込まれておりましたが、そういや、そういった描写はありませんね。「サウザーが上半身裸でトキと対峙」というシチュエーションを物語外（主に戦争前）に見い出す、というか妄想しようと思えばいくらでもネタは出てきますが（例：川で魚をとってるとこを、トキに発見されてしまった など）、あまり皆様を私の妄想に付き合わせてしまうのもなんなので、この辺で自粛しておきます。
可能性その2
サウザーの師であるオウガイがばらしていたというものですが、かりにも南斗の将星「南斗鳳凰拳」の伝承者が愛弟子の謎を敵方にあたる北斗にばらすってことがあれば万死に値すると思うからです。伝承者の器ではなし！
ええ、そう、まったく、普通に考えたらその通りです。けど、行動が我々の想像の斜め上をゆく事が多々有る北斗の漢たち。例えばシュウ様vsケンシロウ@南斗十人組手でのシュウ様の行動は、お人良しという前に、つっこみたい点が色々とあります。また、リュウケンなんぞは伝承者を育てる傍ら、ラオウというおっそろしい男を作り上げ、乱世に放ってしまった。そいういった、想像の斜め上をゆく「お人良し」や「アレな師匠」がまかり通っている世界観を考えるに、オウガイもああ見えて意外にズレたところがあるのかもしれない。……これ読んでるオウガイファンの方がいたら、ホントごめんなさい。あくまで「可能性」ですから、ね。
可能性その3
もし謎がトキにばれていたとしたら、あの場面でサウザーがトキを見たとき「！！トキ、来たのか！！（謎がばれているー！！）」と驚いていたと思います。しかし、サウザーはぜんぜん普通でした。「次は誰だ トキかラオウか！！」と口走っている。ということに関してですが、僕の考えだとラオウがトキが謎を知っているとサウザーに言ったので、サウザー的には「トキ！本当に謎を知っているのか？面白い、かかってこんか！！」という気持ちから先にトキの名前を出したと思っています。
おー、そういやサウザー、全然ビビってないや！さっすが将星の帝王は違うね！（違？）いやいやいや、あのサウザーのこと、秘密がバレてる事なんて全然意に介してないのかもしれませんよ。実際ケンシロウにバレた時も、「バレたけどだから何？」とばかりに堂々としてましたしね。聖帝様カックイイ！！…と、ここまで書いといて、私、気付いてしまいました。あの「貴様の体の謎はトキが知っておるわ！！」発言を受けて、サウザー様ってば「なにィ！！」と驚いてるんですね。この「可能性その3」説で考えると、自分でバラしときながら、その事を忘れて驚くサウザー様の図。マ、マヌケだ…！
「トキ！本当に謎を知っているのか？面白い、かかってこんか！！」という気持ちから先にトキの名前を出した、これはまたステキなご意見！まずはしたり顔のトキから始末してやる、というのは、ものすごくしっくりきます。聖帝様万歳！
…いやでも、「！！トキ、来たのか！！（謎がばれているー！！）」と、うろたえるサウザーも見てみたい。（笑）
可能性その5
まずありえない。知らないのがばれたら間違いなく馬鹿にされて、ケンシロウとラオウから絶交の憂き目にあっていたと思うからです。誇り高き優等生トキがそんな博打くさいことをやるとは到底考えられない。そんなことするくらいなら、特攻をかけてサウザーと相打ちを狙うを思います。
ええホント、嫌ですよね、こんなウソつきトキ兄さん。私も可能性のひとつとして書いときながら、そんなトキは見たく無いと思います。……じゃあ書くなよって話ですが、この世には「トキ腹黒説」を唱える輩が存在する（ウチの兄なんですけどね）ので、まあ、あくまでネタとして。（笑）
可能性その6
？超能力者ではないからなんでもありってのは？？
いや…これは…そのう、あのう……。「この管理人アホだ」と思っていただいたらよろしいです。ご、ごめんなさい！
こういったことから答えは可能性その4だと思います。
そうですね。確かに「可能性その4」が一番有力で妥当でしょうね。実際のところ、この可能性が9割がた正しいと思います。あまりにもマトモすぎてちょっと面白味に欠ける気はしますが。…って、私は北斗に何求めててんだか。（笑）
ともあれ、ジンロウ様、検証をありがとうございました！！また何かツッコミどころor他の可能性がありましたら、ガシガシお知らせくださいませ！
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