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アドリアマイシン

アドリアマイシンの流れ
アドリアマイシンの体感
副作用(骨髄抑制)
副作用(心不全対策)
副作用(その他)


アドリアマイシンの流れ

アドリアマイシン(以下略してアドリア)は赤い点滴です。紅しょうがの漬かってる液みたいな色です。
その色のインパクトで抵抗がある人もいるため、看護師さんによっては点滴をアルミホイルで包んで液が見えないようにしてくれる人もいました。

いつもの24時間点滴とは違い、11時ごろから普通の点滴のように(とは言っても、もちろんCVから入れる)30分薬を入れるだけです。
その他に副作用対策の薬の投与も特にありません。
これを2日間行います。
それだけ簡潔なため、メソなどのようにプロトコール表も特にもらいませんでした。

アドリアは全部で4回行いました。


アドリアマイシンの体感

これはそれほど強い吐き気はありません。
点滴後は、車酔い始めのような、鼻の奥がもやっとした感じがしました。
気持ち悪さは軽いので、何かをしているとまぎれる程度です。
横になって休んでいると、逆に気持ち悪さに意識が行ってしまい、余計体調が悪くなりそうなので、出来るだけ動いたりテレビを見たりと活動するようにしていました。

月、火と薬を入れて、水曜の夜には大体気持ち悪いのも治まってきました。
他の薬は大体1回入れると3日は気分が悪いので、気分的な副作用はかなり軽いほうですね。
気分的には軽いのですが、気持ち悪さ以外の副作用がちらほらありました。


副作用(骨髄抑制)

抗がん剤は全般的に骨髄抑制がおきます。抗がん剤と骨髄抑制の関係については「副作用のまとめ」の「嘔吐・脱毛・白血球減少」で書いてあるので、こちらをご参照ください。
血液は主に骨髄で作られているので、骨髄抑制が起きると白血球、赤血球、血小板などが減少します。

抗がん剤の中でも特にアドリアは骨髄抑制が強いと言われていました。
そして言われていた通り、面白いくらいに数値が下がりました。
始めはあまり変化がなく油断をさせておいて、投与後から1週間くらいするとがんがん下がりだします。白血球を増やす薬を注射しても下がっていきました。
4回中2回は白血球1000を切ってしまい、個室に隔離になりました。ちなみに化学療法を通しての白血球最低値は640くらいです。
ただ知り合いは同じコースの化学療法でも一度も1000を切らなかったそうなので、やはりこれも個人差があるようです。

ある程度血球が回復しないと次の化学療法が出来ないので、アドリアの後は大体2週間くらい間が空きました。
白血球が低いといっても免疫が下がっているだけで、体感としては何も変わらず元気なものです。さらに薬が出来ないので余計に元気ですね。

4回目のアドリアになってくると、化学療法もかなり終盤で、体のダメージも溜まってきたのか、白血球だけでなく血小板もかなり少なくなってきました。
血小板の基準値が大体14万5千〜35万なのですが、一番低くて8万位までさがりましたね。まあ3万くらいまでは大丈夫らしいので、セーフです。
血小板が3万を切ってくると、出血傾向が出てきて、鼻血が出やすくなったり、怖い話だと頭を軽く打っただけで脳内出血を起こしたりするそうです。そのくらい下がってしまうとベッドで絶対安静になると思われます。

日本では白血球を増やす薬しか保険が通ってないので、血小板や赤血球は自力で回復を待つしかありません。
あまり下がるようであれば、輸血するという話が出てくるのですが、私はそこまではならなかったので良かったです。


副作用(心不全対策)

アドリアは副作用で心筋に影響が出て心不全になる可能性があります。
ですので、点滴を開始した日から心筋の収縮力を高めるノイキノンという薬を服用します。1日4錠×3回(朝昼夜食後)を14日間の服用です。
また、点滴終了後に循環器内科にかかり心電図と心エコーを撮って心臓の機能をチェックしました。

3回目までは問題なかったのですが、7/20から始めた4回目でとうとう心筋に影響が出てしまいました。
心エコーの結果を見ると、心筋の一部が通常よりちょっと元気がないそうです。ただ、心臓は大まかには問題なく動いていたので、すぐにどうこうするほどの問題ではありませんでした。
要経過観察となり、3ヶ月ごとに様子を見ることになりました。
体感としては何も感じないんですけどね。
アドリアは4回目で最後だったので、最後までもってくれてよかったと思います。

これからは循環器内科にも定期的にお世話になることになるんだなぁと思っていたところ、10/26の受診で心臓の動きが正常に戻っていることが分かりました。
そこで無事、循環器内科は卒業することが出来ました。


副作用(その他)

アドリアは赤い薬で、そのためだと思うのですが、点滴した後の尿が赤かったです。
一瞬血尿かと思ってびっくりしました。
その後、他の同じ薬をやった人に聞いたら、その人も赤くなったそうで、やっぱりそうなるんだなと思いました。
ちなみに、メソトレキセートでは黄色っぽくなりました。

それから、これは私の個人的な副作用だと思いますが、猛烈なかゆみに襲われました。
1回目のアドリアの投与の時、30分の点滴が終わった後くらいにお腹や背中がかゆくなってきました。
化学療法を始めてから、時期的にも病院の空気が乾燥してたのと、多分薬の影響もあるのですが、かなり乾燥肌になってしまい、かゆみはよくあったので、始めはそれのせいだと思って保湿クリームを塗っていました。しかし、どんどんかゆみは増していき、ベッドの上でのた打ち回るほど強烈なものになっていきました。
これは明らかにおかしい。
その時はアイスノンなどで冷やしたりと、なんとか苦しみながらも30分ほどでかゆみは治まりました。

その事を主治医に告げると、2回目からはアドリアの点滴の前にかゆみ止めの薬と入れることになりました。
この薬が功を奏し、2回目以降はやはりかゆみはあるもののなんとか我慢できる程度になり、かいてしまうと何倍ものかゆみになって返ってくるので、30分じっとこらえました。