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イフォマイド・ブレオマイシン

プロトコール
薬剤の効能
イフォマイドの流れ
イフォマイドの採血と蓄尿
イフォマイドの体感(1回目)
イフォマイドの体感(2回目)
副作用


プロトコール

以下の表が私が実際に行った化学療法のプロトコールです。(2010.4/13〜19)


表の見方は、3日目に注目すると、以下のような感じです。

2日目の23時〜3日目の11時までA-1A(栄養剤)とD(ラクテックGとKCLを混ぜたもの)を混ぜたものを点滴する。その点滴中、9時に⇒(カイトリル)と☆(ガスター+生食)を点滴の分岐した管から注入する。
11時〜14時までB(ソルデム3Aとイフォマイドとメイロンを混ぜたもの)を入れる。14時に▲(ウロミテキサン)と↑(ラシックス)を横から入れる。
14時〜23時までA-1@(栄養剤)とC(ラクテックGとKCLと強ミノCを混ぜたもの)とF(ミネリック)を混ぜたものを点滴する。その点滴中、16時に↑と▲とメ(メイロン)を、21時に↑と⇒と▲とメを横から入れる。


薬剤の効能

それぞれの薬剤の効能はざっとこんな感じです。
・(A-1@)・(A-1A):栄養剤。数字によって栄養の種類が違うようです。
・ソルデム3A:体液のバランスをとる
・イフォマイド:抗がん剤
・メイロン:尿をアルカリ性にする
・ラクテックG:水分
・KCL:カリウム
・強ミノC:肝機能や皮膚を守る
・プリンペラン:吐き気止め
・ミネリック:鉄や亜鉛
・ラシックス:利尿剤
・カイトリル:吐き気止め
・ウロミテキサン:膀胱炎予防
・ガスター:胃酸分泌抑制
・ペプレオマイシン:抗がん剤


イフォマイドの流れ

メソトレキセートが2日目に4時間半入れるのに対し、イフォマイド(以下、略してイフォ)は3時間の投与を6日間連続やります。
正直かなりきついです。
抗がん剤の投与さえ終われば、気持ち悪いのだって耐えやすいのですが、その抗がん剤投与がなかなか終わりません。
1日だけを見ればメソのほうが断然きついんですけど、強烈なきつさが1日かそこそこのきつさが6日間だと、私はだんぜん後者のほうが辛かったです。

全13コース×2回の中で、イフォは2回だけなので、それだけが救いでした。
1回目はまだまだ抗がん剤初心者だった3コース目だったので、後で詳しく書きますがなかなか大変な目にあいました。でも2回目はその経験をいかして色々と対策したので1回目よりはましに過ごせました。
私はイフォが一番嫌いだったので、他のコースの時は「イフォに比べればましだ」と自分に言い聞かせて乗り越えたものです。
どの薬が辛いかは、人それぞれらしいので、私の好みは参考までにとどめておいてくださいね。


イフォマイドの採血と蓄尿

メソのように血中濃度の検査はないのですが、副作用による体調の変化をチェックする為の、生化学(肝機能とか)や血算(血球など)の採血があります。
血中濃度がない分、メソほど頻繁にはなく、コース中は3回と少なめです。

蓄尿もメソと同じくありました。
トイレのたびに尿を全てためます。便座の下に小さいバケツのようなものを設置してそこにためました。
これは1日の尿量とPhを量るためです。
イフォは膀胱炎になるリスクがあるので、より尿の様子には気をつけていたようです。
尿量は1日3000ml以上が望ましく、2000ml以下だと利尿剤を入れなければいけません。
また、Phが低いと副作用が強くなるので、Phが7.0以下の時はメイロンが追加されます。


イフォマイドの体感(1回目)

流れのところにも簡単に書きましたが、1日だけで見るとイフォはメソより楽です。初日くらいなら吐かずに済んでいたように思います。

前半はまだ余裕があり、頑張って食事をしてみますが、吐いてしまうような状態でした。
中盤は食事も受け付けなくなり、お茶でも味が気持ち悪く感じられました。もう水くらいしか口にしなくなります。
終盤になると、水を飲むのも辛くなってきました。トイレ以外はほぼ動かず、じっと寝ています。
それでも水分を取らないと思い、病棟の冷凍庫で作られていた氷をなめたりしたのですが、この氷の中のカルキくさい味すら気持ち悪くなり、食べられなくなりました。

そんな終盤のある日、ふらふらになりながらもなんとかトイレに行こうと思い、気合を入れて動きました。
何とか用を足し、手を洗っていると気持ち悪さは最高潮。早くベッドに戻ろうと動き出した時、見事に意識が飛び、ぶっ倒れました。
トイレでふらふらだったのをたまたま看護師さんが気付いて様子を見てくれていて、倒れた時にはその看護師さんが支えてくれたようで、頭を打ったりとかせずに済みました。

意識を失っていたのは5秒くらいのものだったと思います。支えてくれていた看護師さんの叫び声で気が付きました。
そのままストレッチャーに乗せられて、処置室で血圧などの測定をしました。
休みだったのに関わらず、主治医も来てくれて、特に異常は見つからず、事なきを得ました。

多分原因は脳貧血で、ひどい立ちくらみです。
日頃元気な人間は、自分の限界を分かってないので怖いですね。体はついて行っていないのに、気持ちだけは動けるつもりなので、見事に無理をしてしまいました。
ろくに水も飲めず、水分不足で血圧が低めになってる上に、ほぼ動かずずっと横になっている状態です。
そんな時には、まず上体を上げて落ち着いてからゆっくり動かないといけなかったのですが、そんなことは知らず、むしろしんどいことを早く済ましたくて急いで動いてしまい、こんなことになってしまいました。

皆さん、しんどいときはゆっくり動きましょう


イフォマイドの体感(2回目)

1回目の経験を活かし、今度は最大の対策としてトイレ付きの個室を借りることにしました。

こういうときの個室の大きなメリットは、まずこの前失敗したトイレが近いことです。
しかも、部屋の中にあるので、トイレのドアを開けたままにすれば、点滴のコンセントを抜かなくても行くことができます。
今治療に使っている点滴は、機械で輸液量や時間などを管理しているため、点滴とその機械がセットになっています。コンセント充電式でベットに居る間は充電して、トイレなどベットから離れるときはその充電のコンセントを引っこ抜いて移動します。
大したことない作業なのですが、本当にしんどいときはそんな作業ですら辛かったりします。

次にいつでも気にせず吐くことができます。
大部屋だと、やはり気にしなくていいと言われても、回りが食事中だとできれば控えようとか頑張ってしまいます。でも、大体食事中はにおいなどで吐き気が来るので、回りを気にしなくて済むのは非常に助かります。

そして、その食事時のにおいから逃ることができます。
気分悪いときの食事のにおいはそれだけで気持ち悪くなるので、自分の分を持ってきてもらわないようにすれば、それで苦しむことがなくなるんです。

他にも、やはり他人様と一緒の空間だとそれなりに気を使うことがあるわけで、こんなしんどいときにはそういうエネルギーも使いたくありませんから、そういった面でも助かります。
でも大部屋もメリットはあって、少ししんどいくらいだと、同室の人たちの会話を聞いてるほうが気がまぎれていいということもあります。

こんないいことづくしの個室ですが、最大のデメリットは1日1万円の室料がかかることです。
幸いガン保険に入っていたので、こんな時に使うための保険料だ!と自分に言い聞かせ、借りることにしました。

他には、はなから食べることを放棄して、食事を前に悩むことも辞めました。
1回目にカルキすら気になったので、今度は市販の水や氷を用意しました。
もちろんトイレなどに動き出す時には、まずは体を起こし様子を見てゆっくり動き出すようにしましたよ。
そんなかいあってか、今回は倒れることもなく前回よりかなりマシな闘病生活を送ることが出来ました。(実を言うと、骨髄への副作用を軽減するために、先生が投与量を少し減らしたので、それが楽になった一番の要因かもです・・・)

まあ、それでも終盤になると、これは何の拷問かと思いましたけど。


副作用

イフォマイドは特に髪が抜けます。
このコースをやってから2週間くらい経つと抜け始め、そこから更に2週間くらいかけて完全に抜け落ちました。
私はもともとロングヘアーだったのですが、このまま抜けると大変だと思い、外泊の時に思い切ってばっさりショートカットにしてきました。
あまり短すぎても、抜け毛がちくちくしそうで、ちょっと長さがあるほうが抜けた髪を集めやすいと思い5cmくらいの長さにしました。
確かに予想通り集めやすかったのですが、シャワーの時は手にその髪がまとわりつき、もう少し短くしたほうが楽だったかもと思いました。

抜けた後すぐは、触ると頭皮がひりひりしました。しばらくするとそれも落ち着いていきました。
ありがたいことに、まつげと眉毛は多少少なくなりましたが、それほど抜けなかったので、人相があまり変わらずに済みました。
足や腕やアンダーなどの毛はきれいに抜けていったので、無駄毛処理をせずに済んだのは楽でした。

どうも、他の抗がん剤ではあまり脱毛しないようで、イフォは1回目と2回目の間に5ヶ月ほど期間があり、その間赤ちゃんのような柔らかい髪が少し生えてきました。まあ2回目が終わったらまた全部抜けたんですけどね。
その2回目の後もしばらくすると同様にほわほわの髪が生えてきました。髪質が変わったのかなと思っていたら、次第に今までのような髪も生えてくるようになり、最初のほわほわの毛はまた抜けていきました。
脱毛に関しては「副作用のまとめ」の「嘔吐・脱毛・白血球減少」でも書いています。

その他には目立った副作用はありませんでした。